若い頃、何事にも興味を持ち常にそれが仕事に反映させる事が出来たら素晴らしいと思い、仕事に関係がないことでも積極的に情報アンテナを立てていました。
それがある時から、何かが違う!と感じ始め、それは歳のせい?いや、違う。理由を考え抜く中で1つ答えづけられるモノは、物事へ興味を持っているにも関わらず「感動が薄れてきている」自分自身がいることに気づいたのです。
これは決して仕事が嫌いになったのではなく、自分が出来ていなかった事は、情報過多の時代、如何に不必要な情報を捨てる、又は引き出し奥へ置く事。情報が乱雑になってしまい引き出しが整理されていなかったことに気がついたのです。
何が自分の心に響くのか?これを基に「アウトプット」していく事が大切だと改めて感じたのです。
そこで今年は、過去に触れてきた文化、芸術含め、新たな心でまずは日本の素晴らしさや魅力を自分らしい角度から徹底的に検証し「再インプット」していく、すると以前は感じられなかった事が多々あることに気づきました。
~「迎賓館赤坂離宮 本館・主庭 和風別館」
「京都迎賓館」「桂離宮」の素晴らしさ~
この数ヶ月で日本の美を隅々まで堪能してきました。
まずは、「迎賓館赤坂離宮 本館・主庭」
明治以降の建造物として初めて国宝に指定(平成21年)された貴重な建物で、
内部は残念ながら撮影禁止。
とても素晴らしい洋風な雰囲気で、特に截金(きりかね)師の斎田梅亭(さいだ ばいてい)さんの屏風(びょうぶ)は伝統的な截金の技法で魅力的でした。
「迎賓館赤坂離宮 和風別館」
1日6回各20名の抽選で当選。外観はとても綺麗に手入れされており素晴らしい
お庭です。
室内は日本の匠の技が敷き詰められています。
京都迎賓館との違いは下記に記載します。
「京都迎賓館」
日本古来の伝統と文化が溢れていました。
迎賓館赤坂離宮は内部の撮影は禁止でしたが、こちらは撮影出来たので驚きです。
特徴としては、迎賓館赤坂離宮和風別館にも同じような室内で机、椅子があるの
ですが、印象的なのは和の晩餐室、桐の間。
ここで京都らしさというか驚いたのは、迎賓館赤坂離宮和風別館の座椅子には紋がなかったと記憶していますが、
座椅子一つ一つに飾られた「五七の桐」の紋は漆塗りの上に描かれ圧巻でした。
蒔絵下出祐太朗さんとは数年前にお仕事をさせて頂いており、
久しぶりに作品を拝見し懐かしくなりました。
聚楽の間は他の部屋と異なり自然光入らないようになっており、
その空間でも調度品が映えるように鮮やかな赤色の生地を用いて織りが美しい。
迎賓館赤坂離宮の洋風に比べ
京都迎賓館は圧倒的な和風感です。
合理的に出来ているのが夕映えの間。
用途に合わせて東西の壁面が可動式になっており、新旧の融合を感じます。
最も大きな藤の間。
壁面のタペストリーは縦3.1m横16.6mの織物は迫力があり美しい。
そして、舞や能、琴の演奏など日本の文化を紹介する舞台。
ここには、繊細な截金(きりかね)の技が惜しみ無く装飾されている。
江里佐代子さんの遺作になったと言われており上品で繊細です。
廊橋から眺める池には錦鯉が放たれて客人を飽きさせません。
最後は「桂離宮」の庭屋一如(ていおくいちにょ)の世界を満喫。
回遊式庭園や数寄屋風の純和風建築物は古来の日本文化が今も残されており季節ごとに楽しませてくれます。
「松琴亭」は東、北、西の三方から庭園を眺めることができ、
青と白の市松模様のふすまは大胆で斬新。(市松模様の青色は少し薄くなっているようで、本来は手前の青ぐらい鮮やかだったようです)
「月見台」には日本らしい美学を感じます。
月を鑑賞するために創られたスペースというのは情緒を感じます。
「月波楼」は
部屋にいながら池を楽しむことができ、敢えて開放感ある窓に柱を作ることであたかも舟に乗っているかのような雰囲気を醸し出している。
なんとも趣のある空間です。隅々まで知恵と技術がふんだんに盛り込まれており、客人をもてなす心が伝わってきます。
飛び石にも理由があり、
丸い石はどの方向からも美しく、デコボコしているのは敢えて足元に注意しながら歩いて頂く事で四季折々変化する庭園をどこからでもゆっくり眺めてもらう、
全てが正面と言うのは考え抜かれた発想らしいです。
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